霜月

    

店主作業場2階の我が家には、大きなストーブがあります。

5年前に乳がんが見つかり、その冬に治療をすることになった私のために、店主が入れてくれました。外に煙突を出すために、外壁に穴を開けてメガネ石を入れる作業も、店主がしました。

そのストーブの煙突は、冬が終わると店主が外し、秋の台風が落ち着く頃にまた店主が立てます。今年もまた、その時期がやってきました。

私のお友だちの家は、お庭がとっても素敵です。いつの季節も花が咲いていて、手をかけた方の気配がいつも感じられます。

例えば、その方が居なくなったとしても、そこに行けばその方を感じることができる。本当に素敵なことだと思います。

 

私たちの家は、私たちの手で改装しました。その家は、店主のつくった家具や私のつくった装飾品でいっぱいです。

息子がもしひとりぼっちになっても、私たちの気配を感じることができる。それは彼にとって大きな糧になると信じています。

『暮らしをつくる』とは、そういう側面もあるのだと感じています。

店主の作業場の簡易薪ストーブにも煙突が立ちました。今年もお世話になります。

さて、小梅さんがやって来て半年が経ちました。

小梅さん、寒くなってきたからか夜はお布団にもぐって来て、店主と3人川の字で寝ています。すっかりこの家に慣れてきたようで嬉しい。

だんだん私の編み物をする毛糸や、ヒンメリをつくる糸にちょっかいを出してくるようになりました。

猫と暮らしたことのなかった私。針のすすむ時期、サザエさん家のタマのような小梅の行動に、手仕事をじゃまされるのは計算外でした。

小梅が寝ている間にがんばっています。

 

もうすぐ冬。昨年は12月にしめかざりのワークショップをしました。今年も昨年と状況が違いますが、開催できたらいいなと思っています。

わらに竹に、学ぶ日々は寒いこれからも続きます。