店主の左腕。
大学生@鹿児島の頃、インラインスケート中に骨折。折れた骨が皮膚の外に飛び出すほどの大怪我で、即手術。今でも大きな傷跡があります。
右手のように旋回しないし、だるくなりやすい。
私の右腕。
5年半前に乳がんが見つかり、右乳房を切除した際にリンパ節も。その後遺症で重たいものが持てなかったり、締め付けNGだったり。
めぐりも悪く、単調な作業の繰り返しでとてもだるくなる。
寒い季節、二人で車に乗ると、暖かい風の吹き出し口に、店主は左手を、私は右手をかざして、「手が冷えるねぇ。」。
寝るときは店主が左側、私が右側。寝ている間にお互いの腕をつぶたりしないように。
店主の左腕と私の右腕は、どちらも一人前ならぬ一本前ではありません。1+1=2ではないけれど、子育てや暮らし、ものづくりをする中で、お互いの弱いところを補い合えていると思っています。
最近では、息子もたくましくなって、1+1に参加してくれて心強い限りです。
最近の店主は仕事の合間に、グリーンウッドワークの練習を始めています。
グリーンウッドワークとは、乾燥していないみずみずしい生木を、人力の手道具で割ったり削ったりして、小物や家具などの暮らしの道具を作る木工のことです。
笑っちゃうほど不恰好なスプーンの材料は、家の前に生えている栗の樹。お隣さんが伐採して捨てていた枝をいただいて作っている途中です。
お友達のカメラマンに見せたら、「息子の方が上手に作るやろう。」と言われてしまいました。
上手になったらワークショップをしたいねと話しています。
私は竹ひごとりの練習。
家の目の前にあるお隣さんの山や、近くを流れる川の縁に生えているマダケをいただいて、割って、剥いで、巾や厚みを揃えてひごにします。
使う道具も至ってシンプルで、動力も人力のみ。その潔さも私を惹きつける理由です。
暮らす場所のすぐ近くで材料をいただくことができて、自分の手と数種類の刃物と少しの道具でひご取りから編上げまでできて、出来上がったものは土に還る−。最高のものづくりです。
何年かかるか分かりませんが、手提げかご、編めるようになりたいです。大切な人たちへ贈るものを作れるようになりたいです。
三寒四温でまだまだ寒い日もありますが、陽の高さやほんのり色づく木の枝などに春を感じられて、心も春色です。
小梅さんはまだまだまぁるいですが。。。