無音

  

いつもは機械のまわる音が2階まで聴こえてくるのですが、静かな日もあります。

店主はこの数日、椅子の修理でチマチマした手作業をひたすらしております。

欠けた木部をパテでつくり直し、もともとの部分との境が分からないように色味を調整しながら色付けをしています。

店主はもともと左利き。私たちが子どもの頃は左利きの子たちは右手を使うように矯正されるのが通常でした。店主もその一人。

今でも刃物は左手で使っています。

そして息子も左利き。息子は矯正することなく、書くのも食べるのも切るのもねじ込むのも全て左手で。右利き社会で逞しく生きています。

無垢の木の家具は、直して再び綺麗な姿で持ち主さんと一緒に過ごすことができます。

手頃なものが手頃な価格で手に入る現在ですが、その多くが簡単に棄てられているのも事実です。

消費するものを思慮深く選択する目と心を養いたいといつも思っているし、また子どもにもそれを育んでもらえるような子育てをしたいともいつも思っています。